せいては事をしそんずる | どうでもいい話

せいては事をしそんずる

この間の話です。僕は図書館に行きました。期限ぎりぎりの本とCDを返すためです。そのせいでただでさえ慌てているのに、その後バンドの練習が控えていたので気分的にはてんてこまいでした。

そういうときに事故というのは起こるのです。

僕は原動機付自転車を駐輪場に停め、図書館の入り口へと急いだ。冷たい午後の風がビルの谷間を抜け、体につきささる。それは忘れていた腰の痛みを思い出させるのに十分なほどの冷気だった。

ガラス張りの図書館の一面をのぞく。どうやら開館しているらしい。ここにくるまでそのことに自信がもてなかった。よくあることだが、僕は休館日を把握していないのだ。ここまできて閉館していたら、無駄足もいいところだ。おまけにバイクを使ったので、南極の氷の寿命まで縮めてしまう。どう考えてもろくなことではない。

開いていることを確認できたので、僕の足はせいた。自動ドアがせまる。僕はもう一度ガラス越しに中を確認した。

次の瞬間。眼窩の鈍い痛みとともに、僕の体は2cmほど押し戻されていた。なにが起きたのか、ようとしてつかめない。おもむろに目を開けると、機械的な滑走音をかきならしながら、ゆっくりと開く自動ドアが見えた。

単純にいえば、ドアが開く前に突っ込んだのです。正面からではなく、斜めから入ろうとしたために感知されなかったのです。おかげで眼鏡が曲がりました。おかげでどこかのおじいさんに不審な目で見られました。おかげで…僕はひとつ成長しました

きれいにまとまったところで今日の教訓。

「自動」はおもったほど「自動」じゃない、それが世界のしくみ

BGM 「世界ウルルン滞在記のテーマON

砂糖が溶けるようにフェードアウト…